私はただただ走っていた。

冷たく頬に当たる風も気にせず

明かりの無い漆黒の闇を抜け

ただあの人に会いに行くために私は走っていた。


Shain




ピン・・・ポーン・・・
辺り一面静かなせいか、チャイムの音が一層大きく感じられた。
全力疾走したせいで荒くなった自分の息遣いしか聞こえない。
それですら、闇に溶けてしまいそうな感覚になる。
『はい・・・。』
眠そうな声がインターホンから聞こえた。
・・・だけど・・・。」
消え入りそうな声で呟く。
『はぁ!?ちょっと待ってろよ!』
ぷつっと言う音とともに中からバタバタという音がした。
待ってる時間さえ不安に感じる。
「おい・・・。」
ノブが回され、現れた人物に思い切り抱きついた。
やっと、現実だと感じる。
闇から救い出された気分になった。
「ど・・・どうした?」
頭上から狼狽した声が降ってきた。
「良かった・・・。」
安心して肩をなでおろした。
体を離すと腕をつかんで隼人を見つめた。
?」
私は、俯くと小さな声で少しづつ話し始めた。
「夢を・・・見たの。隼人がいなくなっちゃう夢見たの。」
「夢・・・?」

マフィア同士が争ってた。

ボンゴレともう一つのどこかの勢力。

ツナや、山本君や、リボーンちゃんや、ビアンキさんや、・・・隼人がいた

私はただ、それを見つめることしかできなくて・・・

突然、爆撃の煙が上がって怖くて目を瞑った。

暫くして目を恐る恐る開けると、漆黒の闇の中だった。

誰もいなくて泣きながら歩いた。

走って探して、声が枯れる位、名前を呼んでも誰も現れなくて・・・

「隼人!!」って大声で叫んだら目が覚めた。

いてもたってもいられなくなって私は、部屋を飛び出していた。

「隼人は・・・マフィアだもんね・・・。ボンゴレの・・・。」
力なく腕から手を離す。
いつか私の前からいなくなっちゃうんだよね・・・。私は、一般の、普通の子だから。
隼人は巻き込まないためにきっと、私の前からいなくなっちゃう。
平静を装って普通に接してきたけど、ホントはいつか、いなくなっちゃうんじゃないか。って不安で不安でしょうがないんだ。
「俺は・・・、いなくなったりしねぇよ。」
小さな声と大きな手が私の頭の上にふってきた。
その手は、そのまま私の頭を乱暴に撫でた。
上を見ると隼人はそっぽを向いていた。暗くてよくわからないが照れてるんだとわかった。
「はや・・・と?」
「なんつーかよ、どんなに闇ん中だって、ちゃんと光くらいあんだろ?どんなに小さくたってさ・・・。それ、目指して走ってれば、いつか、闇なんて気になんなくなんだろ?」
「・・・。」
あまりに照れながら、柄でもないこと言うから、思わず噴き出してしまった。
「なんだよ。」
少し怒った顔して私をにらんだ。
「じゃ、約束してね、夢の中でも私の前から消えないって。」
だって、私の光はいつだって隼人なんだから。
笑って、隼人の前に小指を出す。
「お・・・おう。」
隼人は少し照れながらも小指を絡めた。
「俺の前からも・・・いなくなったりするなよ・・・。」
ホントに小さな小さな聞こえるか、聞こえないかの声だったけど私はかろうじて聞き取ると答えた。
「うん!!」

終わり


後書き
REBORN!!リハビリ作。
獄寺キャラ違う?最初、この作品は山本で考えてたんです。
だけど、獄寺もいいかなぁと思い変更しました。