あたしは隼人のただの友達。
それで良いと思ってた。
だってそのほうが楽だし辛くないって思ってたから―。
Fighting
Girl
「今・・・なんて言ったの?」
あたしは向かい合わせに立っている隼人に聞き返した。
「だからな・・・、日本に行くことになったんだ。10代目を見てくる。そいつが骨のある奴なら俺のボスになる男だ。全身全霊で守らなくちゃならねぇ。」
体中に電撃が走った気分だった。
あたしは、隼人の親友だから、隼人がマフィアだって事や、いつかそのボスを守る事、あたしの前からいなくなる事わかってたしちゃんと覚悟もしてたよ。
けど、けどね、あたし達まだ中学生になったばっかりなんだよ!!
「早すぎるよ!!」
あたしは隼人に掴みかかった。隼人は横を向いて俯いていた。
「ねぇ、なんで!?あたし達まだ中学生なんだよ!?嫌だよ!!」
頬からはポタポタ涙が流れた。近くの白いハトが一気に飛んでいった。
「
。」
隼人があたしの腕を掴んだ。
「お前はイタリアで、マフィア関係以外で初めて出来た普通の日本人の友達だったから嬉しかった・・・。」
「隼人・・・。」
「けど、俺はボンゴレファミリーの一員だから。これは俺の夢だったから。」
顔を上げた隼人の眼には信念の強い光が宿っていてあたしはこれ以上何も言えなくなった。もうこれ以上友達のあたしは入れないから。
「わかった・・・。」
あたしは力無く手を放し、顔を上げ無理矢理笑顔を作った。
「うん、無茶言ってごめんね!!がんばんなよ!!バイバイ!!」
あたしはそのまま家まで駆け出した。あたしが隼人の夢を潰しちゃいけないから・・・。
あたしは帰ってから部屋にこもってずっと泣いた。
泣きつかれて眠ってしまうまで。
あたしは、決めたことがあった。
「
、ビアンキさんからよ。」
母さんが子機を持ってきた。
ビアンキさん?なんだろう。
「もしもし、
です。」
「はい・・・え?」
受話器があたしの手から滑り落ち、ガツンと勢い良く受話器が床に落ちる音がした。
行かなくちゃいけない!!
あたしは隼人の家まで全力疾走した。
着いたあたしは息を切らしてチャイムを押した。
「・・・どうしたんだ!?」
隼人が驚いた顔して出て来た。
「今日の・・・午後・・・出発なんて聞いてない!!」
あたしが息も絶え絶えで訴える。
「言おうとしたら昨日帰っちまったじゃねーか。」
・・・呆れられた。
まぁ、良いわ。
あたしは息を整えると隼人を真っ直ぐ見た。
「あたし、隼人に言わなくちゃいけないことがあるの!!あたし、隼人が好き!!親友じゃ嫌なの!!」
決めたこと一つ目。告白。二つ目は隼人次第。
あたしの心臓バクバク言ってる。
隼人はと言うと目をまん丸にしてくわえていたタバコをぽとりと落とした。
「
・・・?」
「メーワクならいいんだけど。あたし、気にしないから。そしたら親友で・・・」
「いや、俺も
が好きだ・・・。けどな・・・」
「ストップ!!」
暗くなり始めた顔をあたしは手を隼人の前に出し止めた。
「隼人とあたしは両思いなんだよね?」
そう聞くと隼人は顔を赤くして照れながら頷いた。
「そっか、両想いならもう一個言わせて。」
あたしは、ニッと笑い隼人を見た。隼人は驚いた顔してあたしをじっと見た。
「あたしもマフィアになるから!!」
数十秒の沈黙・・・。
「はぁ!!何言ってんだ、お前!!わかってんのか?危険なんだぞ。」
「わかってますし、本気ですよ。ボンゴレ入るから。実はあたし、隼人に内緒でビアンキさんから修行受けてるんだよ。才能あるってさ。隼人が嫌いなポイズンクッキングじゃないから。」
「お前、なんで・・・?」
「だから〜、あたしはおとなしく待ってるのも両思いなのに別れるのも嫌なの。自分でのり込む!!!コレがあたし!!OK?」
隼人は乾いた笑いの後、姉貴に似てきたな、と呟いた。
「まぁ、随分前から修行受けてますから!!」
あたしがケタケタと笑うと隼人は観念したように溜息をついた。
「ま、お前がマフィアになって一緒に戦える日を楽しみにしてるぜ!早く来いよ!!」
ニッと嬉しそうに笑い隼人は日本に旅立っていった。
「よっし、今日も頑張りますか!」
今日も、日本まで続いているイタリアの空を見上げあたしは親友では無く恋人の隼人を思って修行を頑張りつづける。
一緒に戦える日を願って。
終わり
後書き
初ごっきゅんです。
恋人はマフィア。(なんだそりゃ)
友人設定か恋人設定か迷って友人設定にしてみました。