この想い

思いっきり

受け止めてくれよな!!


キャッチボール・ハート




「や〜ま〜も〜と〜!!」
廊下を思いっきり全力疾走しながら大声で叫ぶ少女が一人。
彼女は、 、小学校時代地域の野球クラブに入っていた。当時のエースは山本 武、彼女は彼に次ぐエースであった。
そして、現在、自分がエースになるべく打倒山本を掲げ、そんな彼に片思いしているのである。

−屋上−
「また、やかましいのが来やがった。」
獄寺はタバコに火をつけながらぼやいた。
さんは元気だよねぇ・・・。山本に負けないって!!」
「あっはっはっ!!」
本人楽しそうに笑った。
「まっ、いいんじゃねぇの?」
山本はフェンスに寄りかかり呟いた。

バタン!!
「山本ッ!!」
「来たな。」
顔をの方に向けニッっと笑った。
「勝負だ!!」
はビッと人差し指を出した。
「へいへい、んじゃ、バットとグローブとボール持ってくっから。」
山本は、腰を上げた。
「待った!!今日は私が用意したカラーボール使うぞ!!キャッチボールで勝負だ!!」
「「「キャッチボール!!?」」」
山本とツナと獄寺の声がはもる。
「あほじゃねぇ!?!!」
獄寺はキャッチボールでどう勝負するんだ。と大笑いだ。
「うっさい!!獄寺!!・・・ルールは簡単。私がこのボールを投げる。キャッチできれば山本の勝ち。取れなければ私の勝ち!!どうだ?」
がニヤリと笑う。
「良いぜ。」
山本もニヤリと笑った。

場所は変わって校庭
ツナと獄寺は、屋上から成り行きを見守っていた。
「行くぜ!!」
は剛速球ともいえる速さのボールを投げた。

『これであの文字は見えないよな・・・。』

はそう思ったが実際は違った。

『・・・え?』

「・・っぁ!!」
山本がボールをキャッチし損ねた。皆予想外の展開だった。
「あ〜あ。捕り損ねちまった。」
山本は拾いながら言った。
「私の勝ち・・・?」
は呆けて呟いた。

『まさか見えちゃった?わざと拾わなかったの?試合に勝ったけど勝負に負けたかな・・・?』

は自嘲気味に俯いた・・・。
精一杯勇気を出してボールに書いた『スキ』の文字。いつもみたいに受け止めて笑ってくれると思ってた・・・。でもって、返事をそれなりにくれると思った。
「おい!!!!」
「うぇ!?」
いきなり顔を覗き込まれ慌てて後ずさった。
「ななななんだよ!!しかもとかって!!いきなり昔の呼び名で呼ぶなよな!!」
「いいじゃんか、俺は中学あがってからもそう呼びたかったんだぜ?けど、お前が呼ぶなって言うから・・・。」
ボールを見つめながら呟く。
「そ・・・それは、お前のファンがうるさいしなぁ・・・。」
と、真っ赤になりながら語尾が小さくなった。
「へぇ〜!!てっきり俺嫌われてんのかと思ったぜ。」
「そんなわけ!!」
が言い終わらないうちにの胸にボールが投げられる。
「・・・?」
「俺の返事!!」
笑顔で手を振っていた。
はドキドキしながら、ボールを見た。
「・・・『俺だって大好きだ』・・・」
「そういうこと!!」
山本は遠くから叫ぶ。
「武!!」
はもう呼ぶことは無いと思っていた名前を呼ぶ。
「私はちゃんとアンタからのボール(気持ち)をキャッチしたんだから、もう一回特別に投げてやるから、今度は思いっきり受け止めてよ!!」
「了解!!」
そう言い、屋上に目をやる。
「ツナ〜!!獄寺〜!!そう言うことだから、先帰っててくれ!!」
「わかった〜!!山本、お幸せに!!」
「ケッ、せいぜい泣かすなよ!!」
二人はそう言うとかばんを持ち校舎へ入っていった。
!!」
「何だよ!?」
「どうせだから、ボールとは言わずにお前が飛び込んで来い!!」
山本は腕を広げ、は顔を赤くした。
「何言ってんだよ!!馬鹿武!!恥ずかしいだろ!!」
「大丈夫だって!!誰もいねぇもん。」
周りには人っ子一人いない。
「・・・っ!!仕方ねぇ。ホントにちゃんと受け止めろよ!!」
「任せろ!」
は助走をし、そのまま愛する彼のもとへ走っていった。
今度はきちんと自分の気持ちを受け止めてもらえることを確信して・・・。

終わり



おまけ
「あ、けど今日の勝負は私の勝ちだかんな!!」
「え・・・。あれは無しだろ・・・。まぁ、いいや。試合には負けたが勝負に勝ったしな!!」
「そんなこと言うか!!また勝負だ!!」
「いいぜ、いつでも受けてたってやるよ。」





後書き
客観的な書き方は難しい・・・。久々です。
好きなのにまだいまいちキャラつかめてない気が・・・。
頑張ります!!



1/24 白王龍華