うっすらと気づいていたの
怖かった、いつか攫われる
銀ちゃんと離れ離れになる―――って
風――
「銀ちゃん・・・?」
暗がりに浮かぶ月は愛しい人の体を克明に照らし出す。
見たくないものも、見られたくないものも
すべてさらけだす。
白い大好きなふわふわの髪にかかった血の色も。
足元に転がる天人も・・・。
「・・・。」
振り返ってくれない。
大好きな銀ちゃん。
手に持つ真剣から滴り落ちているのは紛れも無い血液。
聞かなくたって分かる
銀ちゃんは斬ったんだね、天人を・・・。
「・・・銀ちゃん?こっち向いて。」
「それは・・・ちょっと出来ねぇな・・・」
背中を向けたままの銀ちゃん。
銀ちゃんの声が微かに震えてるのが分かる。
「銀ちゃん。・・・・怖がらないでよ。逃げないから。」
「怖がってなんかねーけどよっ・・・。」
ウソツキ。
銀ちゃんのことだから分かるんだよ。
ぎゅっと抱きしめて
名前を呼んで。
分かって、私の思っていること。
白い月が私たちを照らし出した。
「・・・怖ぇんだろ?無理すんな。」
分かってよ!!
怖いんじゃない・・・
好きで好きでどうしようもないだけなの
「違うっ!!分かってるんだよ・・・?
この人達は・・・私をさらいにきたんでしょ?」
神楽ちゃん、新八君、二人を巻き込んだ宇宙海賊「春雨」との戦い。
まだ万屋にいない頃にそんな事件があったことは新八君から聞いている。
そして、銀ちゃんの弱点を見つけようとしていた春雨の一部が
最近になって入ってきた私の存在を嗅ぎ付けていたのも気づいていた。
力も弱く、何よりも女だったから
さらおうとしているのは明白だった。
「真剣握ってる銀ちゃん・・・久々に見たな。」
「真撰組との花見以来・・・か。」
よっぽど怖かったの?
「私」がさらわれることが
いなくなる事が
「ねえ、怖くないよ。怖くないから・・・
泣かないでっ・・・」
だから今も肩を震わせてるんだよね?
自意識過剰かな?
でも―――それ以外に思い当たらない。
一回巻きつけた腕を放して銀ちゃんの目の前にまわっていった。
「銀ちゃん・・・」
やっぱり泣いてる
ガ側ニイテクレナキャ
そんな顔見るのはじめてだよ
怖インダ・・・ガ離レテイクノガ
風がふいた。・・・激しい風。
ヲ連レテ行カナイデクレ
銀ちゃんが風を払うように
私を抱きしめた。
「こんな形でしか護れないんだ。」
「うん」
「これ以上さらわれていくのが嫌なんだ。」
「・・・うん。」
吹きすさぶ風は気を抜けば攫われてしまいそう。
どこまでも、手の届かない場所まで連れて行かれてしまいそう。
「お前は俺が護るから。だから―・・・」
分かってる、痛いほど分かってる。
だから
ずっと側に
いるから。
ね、泣かないで
→銀時視点
予想以上に暗い作品です。
ごめんなさい・・・。
12/19 瀬尾 亜梨子