俺の日常



「しっしっどっさ〜ん!!」
毎朝の日課になっている背後から元気な声。
最近はもう一つ増えている元気な声。
「しっしっどっせんぱ〜い!!」
元気な声の持ち主は走ってくるとそのまま俺に抱きつく。
「おはよ〜ございます!!」
「おまえなぁ、抱きつくなって毎日言ってんだろ。」
そう言うと、もう一人の声の主長太郎が笑った。
さん毎日ですもんね。」
「はぁ・・・。」
俺は軽くため息をつく。
は俺から離れるとニコニコ笑っていた。長太郎と同じクラスの
長太郎の応援に行ったときに
長太郎が大型犬ならこいつは小型犬タイプか・・・。
「だって、あたし宍戸先輩大好きですよ!」
「っな・・・。」
不意打ちの言葉に思わず顔が赤くなる。
「ちょたろー君も好き〜。」
「俺もですよ。」
・・・なんだ、そういう意味か・・・。
ほっとした中に何か嫌だな。と思う気持ちもあった。
「けど、宍戸先輩への好きはまた別です!」
ビッと指を目の前に突きつけられ、言葉の意味を理解し、顔が赤くなる。
「なっ・・・に言ってんだぁ!!」

部活中もの応援は健在だ。
前なんか俺の名前がデカデカと入った大弾幕を持ってきたことがあったがそれは断った。
多少は良くなったがいつも、フェンスをよじ登りそうな勢いなのはいかがなものか。
まぁそのおかげで、はレギュラーメンバーと仲良くなったのだが。
「宍戸せんぱ〜い!!のために頑張って〜!!」
「なんで、お前のために頑張んなきゃいけないんだよ!!」
こいつのお陰でツッコミを覚えた気がする・・・いらんスキルだ。
けど、なんか楽しいんだよな・・・。

部活の後、部室でいきなり忍足にきかれた。
「宍戸は、ちゃんのこと、どうおもっとんの?」
真剣な表情で俺は驚いた。周りに目を向けると跡部も、岳人も、長太郎も樺地も若も皆マジは表情で俺を見てた。
ジローも起きてやがるぜ。
「な・・・何だよ?」
ちゃん実はもてるんやで。」
確かにぱっと見は可愛いほうだろう。あの性格を除けば。
「だからなんだよ。あいつのことはなんとも思ってねぇよ。」
誤魔化すようにそう言いながら胸の奥では確実に何かが引っかかっていた。
「ホンマか?」
「あぁ、本当だぜ。あいつの事なんかぜんぜん何とも思ってないぜ。」
なぜだか皆はため息をついたが俺にはわからなかった。

次の日
「宍戸さ〜ん!!おはようございます!!」
「おう、長太郎か。」
で・・・いつもの・・・・。
ん?
「長太郎、あいつは?」
「そういえば来ませんね。だいたい朝練時間に合わせて来るのに。」
長太郎はキョロキョロと辺りを見回した。
「休み・・・でしょうか?」
「さぁな。朝練までには来るんじゃねぇ?」
俺は物足りなさを覚えつつ朝練に向かった。
「おい、宍戸、俺様の話を聞いてねぇようだが。」
「は!?」
応援のほうに気を取られて跡部の話を聞いていなかった。
「お前、いい度胸だなぁ。あ〜ん?」
「わりぃ!で、何だ?」
跡部はため息をつくと説明をしてくれた。
「これから忍足と向日とBコートで試合だ。」
見ると、忍足と岳人と長太郎がBコートで待っていた。
「おっ、おう。」
俺は走って行った。
試合中も俺らしからぬミスの連続だった。
「宍戸さん、大丈夫っスか?」
「あぁ。」
俺は腕で汗を拭った。
何でだよ!!何でいないんだよ!!
いつもみたいにいかない!何かが足りない。
試合は結局惨敗した。俺は、こんなにもあいつのこと・・・
あいつが俺のそばに必ずいて・・・

授業中も全然集中出来なかった。
「宍戸さん!!」
岳人とジローと教室で飯食ってたら長太郎が走ってきた。
「どうした?」
さん来てますよ。今日。」
「はぁ!?」
俺は素っ頓狂な声を上げた。気になったらしく岳人もジローもやってきた。
「あいつ、調子かなんか悪いのか?」
「いえ、元気でしたよ。」
じゃぁ何で来ないんだよ!
「もしかして、昨日の話し聞いてたんじゃねぇーの?」
そう言ったのは岳人、三人の視線が一斉に集り岳人が慌てた。
「それあるかも。やっぱりショックだもんね〜。あんな風に言われたら。宍戸が素直になんないからだよ。」
ジローに真剣に言われて言葉に詰まった。
聞いていたのか・・・。
「あんな風に皆の前では言ったけど本当は好きなんですよね?さんといるときの宍戸さんすごく楽しそうですよ。」
思わず顔が赤くなった。
「俺・・・そんなに顔に出てたか?」
「「「うん(はい)!!」」」
三人に頷かれ俺はちょっとショックを受けた。
「そっか・・・」
「もう、昼休みも終わるんで放課後ちゃんとさんのところへ行ってくださいね!」
長太郎はそう言うと自分の教室に戻っていった。
「「頑張れ〜!!宍戸!!」」
ジローと岳人に背中を思い切り叩かれた。
「おう!」
俺は二人に笑顔を向けた。

放課後誰もいなくなった長太郎のクラスに、そいつはいた。
!」
ドアから呼ぶと、座っていたの肩がびくっと震えた。
「な・・・んで、宍戸先輩が・・・」
振り返ったの顔にいつもの明るさは無かった。
「長太郎にに、ここにいてもらうよう頼んどいた。」
俺が中に入ると、は逃げ出そうと席を立つ。
「逃げるなよ。」
軽く腕を掴むと今にも泣きそうな顔をされた。
「なんで、構うんです?私のことなんてぜんぜん何とも思ってないんでしょ!!」
「あんなの・・・嘘だ。」
の目が大きく見開かれる。
「今日一日お前がいなかっただけで物足りなさを感じた。試合だってお前の応援がなきゃ散々だ!!俺はお前が好きなんだよ!!」
言ってしまって今更ながら恥ずかしくなって顔が赤くなる。
は驚いた顔をしていた。
・・・?」
「ありがとうございます。」
はいつも以上に明るい笑顔を見せた。
俺はやっぱりこの笑顔が好きなんだ。
「これから・・・練習あるんだけどさ・・・」
「ハイ!!行きます!!今日一日応援できなかったんですから!!」
「一緒に行くか?」
「ハイ!!」
掴んでいた腕を手に変え俺たちは教室を後にした。

「宍戸せんぱ〜い!!おはようございま〜す!!」
「おっす、!」
また、いつもと同じ今日が始まる。

あとがき

初宍戸ドリです。
うまくいったか不安・・・。
宍戸視点うまくいってると良いのですが・・・。