夏の色は何色?

木陰の緑?

青空の青?

海の色の水色?

向日葵の黄色?

太陽の赤?オレンジ?

それとも・・・

夏の色



「で、ここまでいきなり連れてこさせて何しようってんだ?」
「秘密〜!!」
私は後ろを振返りぼやいた声の主である桃城武に笑顔で告げた。
「秘密ってなぁ・・・。部活終わって帰ろうと思ってたのに、いきなり現れて『海連れてけ!!』は無いだろう。英二先輩や不二先輩や越前にはからかわれるし、乾先輩はなんか書いてたし・・・。」
桃はぼやくと、しぶしぶ砂浜に腰を下ろした。
そう、私達は今海に来ていた。まだ日は出て空は青いものの、もう夕方近くで人はいなかった。
私は海に向かって走りだし波打ち際で立ち止り振返った。
「さて、問題です!!夏の色とは何色でしょう?」
「はぁ!?・・・・赤とかか?」
「赤ねぇ・・・太陽の赤、オレンジ、木の葉の緑、空の青、海の水色、向日葵の黄色。他にも沢山答えは出るんだけど・・・」
「何が言いたいんだ?」
桃は頭に疑問符を浮かべている。
私はニッと笑い静かに話し始めた。
「桃はさ、それ全部持ってんだよね。太陽がサンサンと輝き空も海も綺麗な青で植物が生き生きと色づく。そんな力強い季節に・・・」
桃は静かに聞いてくれていた。
「桃は生まれたんだよね・・・。お誕生日おめでとう。」
「あぁ、サンキューな。」
立ち上がろうとした桃を慌てて止める。
「ちょっと待った、ちょっと待った!!まだ立たないで!!も、もう1つここに来た最大の目的が果たされてないから!!」
私は海に向き直り深呼吸をした。

これを言わなきゃ・・・

入学したからずーっとずーっと好きで、一目ぼれって奴だった。
少しでも近づきたくって女テニ入った。
少しづつ仲良くなって試合も見に行った。
桃の試合見ると自分もワクワクした。
私も頑張ろうって思えた。
どんどん惹かれてって好きだなって実感した。
だから、待ってるだけじゃダメだからきちんと言わなくちゃ・・・。
迷惑かもしれないけど・・・。
どう言う答えでも桃はきちんと答えてくれると思うから。

もう一度息を思いっきり吸い声を張り上げた。
「私は、桃が好きなんです!!」
私の叫びは海に消え沈黙だけが残った。
顔を真っ赤にして振返ると桃は驚いた顔をして固まっていた。
・・・・・・ちょっと・・・・。
「も、桃?ごめんね?こんなこと言って。迷惑だったら良いんだよ?私全然気にしないから。」
様子を伺いながら少しづつ近寄った。
桃のトコまで行くといきなり腕を引っ張られて砂浜に勢い良く座ってしまった。
「驚いたか?」
目の前で桃がいたずらっ子ぽくニッっと笑っていた。
「驚いたけど・・・。」
「あ〜あのよ・・・」
桃は目を逸らし恥ずかしそうに切り出した。と思えるのは私の気のせい?
「俺もさ・・・好きだぜ、の事・・・。」
「・・・・。」
「って、こう言うのは男から言わなくちゃいけね〜な、いけね〜よ。」
照れ隠しに頭をぽんぽんと撫でられる。
「ど、どうした!?」
桃は驚いて手を離した。
私は涙を流していた。
「・・・・ごめっ、びっくりした。あ、あのね、嫌なわけじゃなくてえっとね・・・」
「良いから落ち着けよ。」
「うん、あのね・・・嬉しかった。すっごく嬉しくて・・・。」
「なんかそう言ってもらえると俺もすっげー嬉しくなるな。、ありがとう。」
嬉しそうに笑う桃を見て夏の暖かさを感じた。


君が夏という季節に生まれてきた人だから・・・。


そんな君が傍にいてくれるから。


貴方が私の夏の色・・・。


終わり



おまけ
さ、もし俺が断ってたらどう帰るつもりだったんだ?」
私を自転車の後に乗せこぎながら桃がきいてきた。
「まぁ、ちょっとは気まずくなるだろうから歩いて帰るつもりだったよ。」
「はぁ!?チャリじゃないとかなりの距離あるぜ!!」
「それだけ本気がだったってこと!!ほら・・・早く帰って家で祝ってもらうんでしょ!!」
私は照れ隠しに桃の背中を叩いて急かした。
「俺からして見ればの言葉が一番のプレゼントだったんだけどなぁ。」
わざとらしく言うから恥ずかしくなって思いっきり背中を殴ってやった。
「ってー!!ったく、んじゃ、急ぐぜ!!」
「ホラ早く早く!!」
口ではそんな事をお互いに言って、こいでる足はのんびりだった事をお互いに気付かない振り・・・。




後書き

ハッピーバースデイ!!桃!!かなり悩んで書かせていただきました。
内容がなかなか決まらなくてホント困った。
因みに最後だけ名前で呼ばせたのは名前呼ばれたい!!って言うただの願望です(笑)