時計と長くにらめっこ




 あと、10分。







A HAPPY NEW YEAR









 「あー!!!おまっ!何、勝手に俺のみかん食ってんのぉ!!!」


 「何言ってるアル。こたつの上に転がってたみかんアルよ。」


 「俺が狙ってたんじゃボケェェェェ!!!」




 いつもとあまり変わらない光景。


 「年明けが近いっていうのに、変わらないですねぇ。」

 そういって飛んでくる物をよけながらお茶をすする新八君もいつもと同じ。

 「このみかん甘いけどねぇー。」

 そういいながら、あらかじめとっておいたみかんを口に運ぶ私も変わらない。


 「〜・・・。一年の最後の糖分がねーよー・・・。」

 「テレビ見えないから目の前でぐったりしないで。」


 「おまっ、最愛の銀さんに対してその言い方はないだろぉぉ!!」



 いつもと同じようだけど、いつもより皆テンションは高い。


 4人集まって過ごす年末だからかな。



 「あと1分か・・・。」


 その一言でほんの少ししみじみとした空気。

 テレビの中ではアナウンサーがカウントダウンをはじめた。



 「年明け初酢昆布を用意するアル!!」

 「お前は年明けそうそう酸っぱいんかァァァ!!」

 「ただの眼鏡に言われる筋合いないアルよ!!どうせ年明けだろうと明けまいと眼鏡なんだろォォォ!!!」



 「んもー。喧嘩しながらの年明けなんていやだよー。」

 コタツの外にでて喧嘩してる二人に声をかけるが届いていない。

 「あいつららしくていんじゃね。」

 「じゃあ銀ちゃんも、らしく年明けしたら?」





 「らしく・・・・ね。」







 テレビのカウントダウンはあと10秒。









 二人は喧嘩をやめて一緒にカウントダウンをはじめてる。










 「糖分取りながら越すとすっか。」







 「銀ちゃんらしすぎだよ。」











 5、4、3、












 目の前が暗くなったと思ったら










 銀ちゃんの唇の味がした。




















 「あけましておめでとー!!!!!」





 「おめっとー。」


 テレビに張り付いていた二人がはしゃいでからこちらを振り返る。





 「・・・、顔赤いアルよ?」


 「どうかしましたか?」





 「・・・・・・・なんでもない。」






 


 ― が最高の甘味だかんな。今年も食わせろよな―







 銀ちゃんが年をまたいでつぶやいた言葉。
















 ソファにもたれかける新ちゃんと


 定春に抱きついている神楽ちゃん



 皆、大好き



 そして何より・・・・





 糖尿持ちの白髪男―銀ちゃん。








 「今年もよろしくね。」















 A HAPPY NEW YEAR・・・











END












2005 1/1 瀬尾 亜梨子