空は高く晴れ渡っていて
まさに文化祭日和。
「んっと、あっちにお化け屋敷で
コッチが喫茶で・・・。」
は一人廊下に立ち止まる。
「それでここはどこなのよ・・・。」
相変わらず方向音痴のだった。(登校2二日目参照)
「ん?か?」
たちつくしボーっとしているに後ろから声がかかる。
振り返るとそこにいたのは手塚であった。
「あっ・・・ぶ、部長〜。」
は半分涙目のまま手塚にしがみついた。
「せっ・・・・!?」
「ほんとに、ほんとに・・・ここわかんなくってどうしようかと〜・・・。」
どうやらは自分が何をしているか、気づいている様子もなく
まわりの視線にも気づいていないようだ。
手塚も手塚で愛しいが自分にくっついているという状況を理解しようとするだけで
いっぱいのようだ。
しかし、なんとか理性を保ち手塚は軽く深呼吸をした。
「、迷子になったのか?」
「はい・・・。」
「・・・とりあえず落ち着け。俺がいるだろう?」
手塚のその言葉に少し安心したらしく、手塚の顔を見上げる。
そして、顔を見た際の違和感と自分の腕の感触に
は一気に冷静をとりもどし、
飛ぶように手塚から離れる。
「うきぃぁっ!!ごっ・・・ごめんなさい!!!」
「・・・ああ。」
この時の手塚はほっとしたような、寂しそうな
複雑な表情をしていたという。
「ぶ・・・部長は何をなさって・・・?」
「これから生徒会室の方に行こうと思ってな。」
「そうなんですか、がんばってくださいね。」
そう言って手を振るに、手塚は軽くため息をつく。
「―――ついてこい。」
「へ?」
「一人で校内歩けるのか?」
「・・・・・ついていかせていただきマス。」
手塚についていき、たどり着いたのは、手塚が行こうとしていた生徒会室だった。
「紅茶でいいか?」
「あっ、はい。」
手塚はそれを聞くと紅茶をカップに注ぎの前においた。
「ありがとうございます。」
ほんの少し外のざわめきとは無縁の時間が流れ
あたたかい陽射しが二人を包み込む。
「文化祭は楽しいか?」
の前に座った手塚が口を開いた。
「まだあちこちみていなくて・・・」
「見る前に迷ったか。」
「はぅ・・・。」
手塚はそっと、楽しげな声のするグランドに目をやる。
「・・・・・行くか?」
「はい?」
「一緒に行くか?一人だと迷うのだろう?」
「いいんですか?」
手塚は窓から目を離し、へ向ける。
その表情はうっすらとだが
笑っているかのようにも見える。
「ありがとうございます。」
そして、どこか照れたような手塚と、楽しそうなが
生徒会室を後にしたのだった。
(はぐれたら困るだろう)
(手を貸せ)
手塚はそんなコトを言いたいが言えず、
悶々としながら校舎をあるいている。
「あのクラスおもしろそうですよ!!」
そういってこまごまと動き回る。
「、少しは落ち着け。はぐれるぞ。」
「はぁい。」
は肩をすくめ、
いたずらして怒られた子どものような顔をした。
「そうだっ!じゃあはぐれないようにしましょ!」
「何を言って・・・?」
手塚の言葉を全部聞く前に、は手塚の手をとる。
「早く行きましょう!!」
そう言って、無邪気に笑い走り出すに
心までつかまれて
周りを気にしている余裕もなく
笑うを見る。
俺がいるだろう?
もう、は迷子になんてならない。
例え
この繋がれた手が
離されたとしても
見守っているから。
側に、いるから。
END