空は高く晴れ渡っていて
まさに文化祭日和。
「そういえば・・・」
廊下を歩いていたは何かを思い出したようで
くるりと方向転換をし、とある教室に向かって歩いていった。
「ちゃーんとチェックしといたんだよね。おいしそうなトコロv」
がとまったのは3-6の前。
大きな看板に書いてあるのは上品そうなお菓子や紅茶のメニュー表である。
「・・・先輩はいるのかな。」
ドアを開け足を踏み入れると
可愛らしい装飾とお菓子の甘ったるいにおいがを包み込む。
「いらっしゃいませ〜。
あっ、ちゃん。きてくれたのかにゃ!!」
ウェイターの格好をした菊丸がの側に駆け寄ってきた。
「おいしそうだったんできちゃいましたv」
菊丸は嬉しそうに笑って
急にきりりっと息を吸い込んでにお辞儀をする。
「いらっしゃいませ。お席にご案内します。」
そう言って菊丸はを空いている席へと案内する。
「先輩、すごく似合ってますね。」
「ほんとっ!?嬉しいニャー」
ついさっきまできりっとしていたのが嘘のように
の一言でだらんとしてしまう菊丸。
「じゃあ、メニューをどうぞ。」
「えっと紅茶と、この抹茶のシフォンケーキを・・・。」
「かしこまりました。」
菊丸はまた一つお辞儀をして、奥へと入っていった。
店内を見回すと思いのほか女の子の数が少ない。
喫茶をやっていて、しかも不二と菊丸のクラスだから
込み合っているかとは思っていたのだった。
「お待たせしました。紅茶と抹茶のシフォンです。」
菊丸はの前にケーキと紅茶を置くと
自分は向かい側の席に腰を下ろした。
「お仕事はいいんですか?」
「あんまり込んでないし、許可もらってきたから大丈夫だにゃ。
それにちゃんを一人にしてなんておけないしね〜。」
「ありがとうございますv」
「―それにしても少ないですね。お客さん。」
菊丸も店内をちらっと見回しうん、と言ってへ向き直る。
「不二が逃げてるからだと思うにゃ。」
「逃げてる?」
「ほら、ちゃんのクラスって告白ものでしょ?
文化祭始まった途端にファンの子が押し寄せてきてさ。
大変だったんだー、その時は不二はウェイターでなんとか連れて行かれなかったんだけど
今は、不二、休憩時間だからつかまんないように逃げてんの。」
「へー・・・、だとすると菊丸先輩も大変なんじゃ・・・?」
「俺も休憩の時は秘密の場所に逃げてるんだにゃv」
そういってに一つウィンクを送る。
「秘密の場所って・・・?」
菊丸はの耳に自分の口を近づけ小声でささやく。
「不二は中庭。俺は屋上。」
「見つからないんですか?」
「やっぱ皆、校内にいるからにゃー。で、二人同じとこだと見つかっちゃうから別々なんだにゃ。」
そして、菊丸はちらりと時計を見る。
「っと、そろそろ交代だにゃ・・・。」
の方をちらりと見て、口を開いた。
「一緒に行かない?暇になっちゃうと思うんだけど・・・」
「私は、断られてもくっついていくつもりでいたんです。」
菊丸は頬を少しだけ赤くして
食べ終わったの紙皿をゴミ箱へ入れて
手をとって走り出した。
晴れ渡った空と
校庭から聞こえてくる愉快な音楽
隣には
大好きなちゃん。
いつも、この屋上はちょっひり寂しかったのに
今日は色づいていて
幸せ。
手に残る感触と青空の下のちゃんの笑顔が
いつまでも、俺だけのものに・・・・
END