空は高く晴れ渡っていて
まさに文化祭日和。
「うーーーーん。」
はぶらぶらとあちこちのクラスを見て回っている。
しかし、一人のためかいまいちだなーと感じていた。
「ね、おねーさん。一人?」
後ろから声をかけられ振り向くと
見知らぬ制服の男子学生がにやにやしながらたっている。
は小さくひとつのため息を落として
その男を無視して、歩き出した。
「ちょっと待ってよ?一人なんでしょ?俺も一人なんだよね〜」
「間に合っています。」
「本当は寂しいでしょー?」
(この人きもい。)
は鳥肌がたちつつ
無視を決め込み歩き出した。
「ねーってばぁ。」
なかなかしつこいナンパ男は、の腕をつかんだ。
「離してっ!!!」
「強気なところもか・わ・い・v」
(キモイっっっ(怒))
がキレて男を殴ろうかと
こぶしを握り締めた。
その時、目の前に一本の腕がのびてきた。
その腕の主を見上げると
クラスのおそろいとして買った
バンダナを頭に巻いたよく見知った人。
「海堂君・・・。」
「・・・手、離せよ。」
ナンパ男は少したじろいだが、負けずににらみ返す。
「君はなんだ!関係ない人は引っ込んでくれたまえ!」
ふしうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。
「離せっつってんのが、わかんねぇのか。」
ナンパ男は海堂の濃密呼吸と睨みに
ひっくり返って逃げていった。
海堂は逃げていったのをちゃんと確認してから
の方へ振り返る。
「大丈夫か?」
「うんっ。ありがとう。」
「ったく、危なかしい・・・。」
「私のせいじゃないもんっ。」
「隙があるから、つけこまれんだよ。」
「・・・・・・ぅ・・・。」
海堂はうなだれるに対し背を向けて
二歩ほど歩いたが、すぐにとまった。
「。」
「はいっ!?」
「・・・・・・いかねーのか?」
「ほへ?」
「・・・なんでもねぇっ!」
耳を赤くしてまた歩き出す海堂を見て
はその言葉の意味に気づき走り出した。
そして後ろから海堂の腕をつかみ
歩みを止めさせる。
「・・・なんだよ。」
「行くっ!私も行くっ!!!」
海堂はフンッといいつつも顔を赤くしていて
さっさと行くぞと言ってまた、歩き出す。
その歩きは言葉とは違ってゆっくりで
の歩幅とあっていた。
「ねっ、どこ見に行く?」
「俺に聞くな。」
「うーん、じゃあ、お茶でも飲みにいこうか?いきたいところあるし。」
「ああ・・・。」
3-11
二人の歩みはそこで止まった。
「・・・・ここは・・・。」
「さっ、はいろはいろv」
(乾先輩いたらどうすんだよっ!!!!)
「どしたの?乾先輩はいないから安心しなよ。」
扉の前で止まってしまった海堂に、はそう声をかけた。
「・・・何で分かったんだ?」
「部員の考えてることは分かりマス。」
(好きって気持ち以外は・・・か。)
二人は教室の中に入って
席に案内される。
メニュー表をみながら、はつぶやいた。
「ねえ、野菜汁売ってる・・・」
「!」
「売れてんのかなぁ・・・。」
そういってぱらぱらとメニューをみている。
そして、は急に顔をあげて
海堂を真正面から見つめる。
「今日はありがと。」
はにっこりと笑う。
「・・・たいしたことしてねぇよ。」
そんなことないよ
そののつぶやきに海堂の頬は赤くなり
窓の外へ目をやる。
俺はいい人じゃない。
自分の嫉妬に正直になってしまっただけ。
だから、そんな風に笑うなと言いそうになるけど
その微笑は俺をひきつけて、言葉を失わせるから
ずるいと思いつつも
笑いかけてほしいと思ってしまうから・・・
END