空は高く晴れ渡っていて
      まさに文化祭日和。


      「・・・せっかくだしテニス部のをみてこようかな。」

      
      そういっては青学テニス部のテントへと足を運んだ。

      掲げている看板と男子テニス部ということからか、
      女性客であふれている。



      「うわぁ〜・・・。すごい!どのくらいいるんだろ。」

      



       「今のところデータを上回っているぞ。」




      「・・・・・乾先輩。後ろから現れないでください。」
   
      「そうか?だがはあまり驚いてない様子だが・・・?」

      「・・・びっくりして声が出なかっただけです。」


       そうしてが振り返ると
 
       ふむ、と言ってノートに何かを書き込む乾がいた。

  
       「乾先輩ってば何かいてんですか!」

       「・・・データだ。」




       テントから少し遠い場所で

       二人並んで立ってそんな事を言い合っていた。

       ただしくはテントのまわりには近付けなかっただけなのだが・・・。












      「先輩、いくらなんでも人入りすぎじゃないですか?」


       そう、あからさまに客の熱気が他のクラスの店と違うのだ。

       部員たち(主にレギュラー陣)のファンクラブの人達も勢ぞろいしてるのである。

      
       「・・・今は当番はいってませんが、リョーマ君はこのテントにそのうちくるし、乾先輩はここにいるし・・・

       だから、ファンの人がくるの分かるんです。

       でもここにいないレギュラーのファンクラブの人がおしかけてるのって・・・?」


       乾はめがねをくっとあげ、テントの方をみる。

       激しく商品をとりあっているその姿はもはや、バーゲン会場だ。



       「不思議か?」

       「はい。」


       
       すると乾は手にしていたノートを開き何かをとりだす。

       が乾の手の上を覗き込むとそこにあったのは一枚の写真と値札だった。




       「あそこに陳列している商品の値札はこれを基本に作ってある。」

       「・・・・・この値札は真実なんですか?」

       「一応な。看板も似たようなことが書いてあるぞ。」


       

       が、なるほど、と納得した値札にかかれていたのは




       [ダイエットクッキー・・・・手塚作]

        

       写真というのはもちろんレギュラーの個人写真である。


       「大石先輩や、菊丸先輩作バージョンもあるんですか?」

       「ああ、全員分あるぞ。」

       「それやれば、確かに人はきますね。」

       「だろう?」


       
       ふと気づくとだんだん人が減っていっていた。


       「ただいまをもちまして商品は完売いたしましたー!!!」

       堀尾が拡声器でどなっているので耳に入った。

       乾は自分の時計をみると

       「ふむ。時間的にはデータより36秒程早くに終わったな。」

       とつぶやいた。

       テントの方では一年生陣が[完売]の札をさげて

       一部の生徒は、大量に[完売しました]シールを持ち校舎のあちこちへと散らばっていく。

       どうやら校舎中のポスターに張りにいくようだ。
     

       「あんなものまで作っておいたんですか?」

       「こうなる事を予想していたんでな。」


       そう言うと乾は手にしていたノートを閉じ
 
       テントへ戻って堀尾に何かを指示すると、また、の元へ戻ってきた。


       そして、自分よりも小さなの頭をぽんっと一度なでて、笑った。


       「さて、どこに行く?お勧めは3−5、2−11、あとは・・・」

       「・・・こうなる事も予想済みでしたか?」

       は頬を少し赤くさせ乾を見上げる。


       「の方からくるとは思ってなかったが

        俺とであちこちまわるつもりではいたな。」


       「さすが、先輩。」

       
       「で、どこ行きたい?」


       「乾先輩のお勧めのところ全部っ」

        乾は少し苦笑いをして、それだと今日はずっと一緒だなとつぶやく。


       「駄目・・・ですか?」

       「駄目なわけないだろ。早く行かないと全部はきついぞ。」

 


       そういって乾は、嬉しそうに笑うの手をつかみ歩き出した。









 
       なんだかんだいっても




       俺はにはかなわない。



       データ通りじゃないとか、そういう意味ではなく








       好きだから





       そんな単純な理由からだと思う。





       俺らしくはないが





       今は、この手の中にあるものが





       逃げないでいてほしいと





       計算するのではなく





       願っていることしかできないけれど・・・。



















      END